はじめに

・iriver X20登場

iriver初の8GBモデル(フラッシュメモリ)をラインナップ。
2.2インチのカラー液晶を搭載して、動画再生にも対応。 FMやボイスの録音にも対応し、外部機器と接続しダイレクトエンコーディングにも対応する。
また裏面にはステレオの内蔵スピーカーまで搭載。内蔵充電池は取り外しができる。 ブラックにブルーに光るホイールが印象的な多機能プレーヤーだ。

じつはX20、開発自体はジョイtotoという韓国の企業が行っており、米国BestbuyにてInsigniaブランドで販売されているMP3プレーヤーの兄弟機種で、このInsigniaシリーズは高評価を受けている。
X20はデザインはiriver独自のものだが、基本的にこのInsigniaシリーズのInsignia VideoのOEMと考えていいだろう。
iriver(レインコム)は開発から製造まで一貫して行える数少ないメーカーであり、このような製品開発はレアケースといえるだろう。


・MP3プレーヤー2.0

MDプレーヤーの売り上げをMP3プレーヤーが追い抜き、街中でMP3プレーヤーを首に掛けている姿なんて、珍しくもなんともない時代になった。
ユーザーの多くは、2台目、3代目のプレーヤーを探し始め、今後のMP3プレーヤーは、ひと昔前よりもそのスペックや使い勝手がより正当に評価される時代になってきそうだ。

そういった目線で各ブランドの新製品を見ていくと、高いレベルでのMP3プレーヤーの新標準というのが見えてくる。
・画面は2インチオーバーのカラー液晶で動画対応
・音楽20時間、動画5時間 以上の電池持ち
・フラッシュ8GBまでのラインナップ
・大量の曲を検索しやすい操作性

少なくともこの4点を備えたプレーヤーをラインナップできなければ勝負にならず、そこにさらにどのような独自性を乗せてこれるかが今後の鍵になるようだ。

・X20の意義

そこで、なぜ他社と協力してまでX20をラインナップに入れてきたかという問題に戻ろう。
日本でのX20の発売の少し前に、韓国ではClix2が発売になっている。
iriverの新たな代名詞になったClixの正当な後継機種であり、D*Clickシステムはもちろん、AMOLEDという最先端の有機ELディスプレイを搭載。
ユーザーがGUIをカスタマイズするUCIといった面白みを加え、先行して販売している韓国ではユーザーに高い満足度を与えているiriver渾身の作となっているようだ。
つまり、先ほどのブランドならではの独自性といった問題に、iriverは率先して取り組み、最上級なディスプレイやUCIといった答えを提示してきたのだ。
しかし、本国を離れると、そういったスペックを超えた満足度を与えるこれらの独自性は、少し評価されにくい所もある。 
もう少しスペック表に現れる強さを持ったプレーヤーを加えておきたいという思惑があったのかもしれない。これはあくまで、筆者の想像だがそういった意図を感じる。
その証拠かどうかはわからないが、X20は韓国では発売されず、海外展開になるプレーヤーだ。
事情はともあれ、X20の元となったプレーヤーは高い評価を得ているので、今回X20がどのようなできになったのか、大変楽しみだ。



パッケージ





pack01 pack02
pack03

パッケージ

パッケージは小さく、内容物は少なく最小限だ。
本体にイヤホン、USBケーブル。
それに保証書や8cmインストールCD、クイックガイドが付属する。
マニュアルはCD内で、8cmCDが使用できない場合はiriverのHPからダウンロードできる。(iriverplus3はユーザー登録後ダウンロードできる。)
すべてに渡って、多国での発売用にできている。


デザイン


deb01 deb02

ホイール部がシルバーではなくホワイトなので、黒と白の組み合わせがメカっぽい中にも清楚な感じを見せる。
指紋が目立ちやすいのは致し方ないところ。
液晶のふちが突起していて、画面が直接地面等に接しないようになっている。

一見携帯電話を思わせるデザインだ。
HOLD以外のボタンはすべてディスプレイ側の表面に並んでいる。透明感あるディスプレイ側に対して、裏面はつや消しのマットな仕上がり。
deb03 deb04
左サイド上部にはmicroSDのスロットがあり、ゴムカバーで保護されている。 HOLDボタンは右サイドにあり、HOLD時はオレンジ色が覗く。
deb05

deb06

各端子は下部に集められており、左からminiBのUSB端子、充電もこの端子から行う。 中心がイヤホン端子で、その右はラインイン端子だ。
本体上部の突起は左手を添えるためのものだろう。 この辺りにストラップ用の穴があってもよさそうだが、ストラップ穴は無い。銀の2つの丸はねじを隠しているもので、特に意味はない。
deb07 deb08

特徴的な白いホイールは、中心部が再生ボタンで、その周りの白い部分と光る輪の部分が一体化してメカニカルに回転するようになっており、さらに4方向のクリックボタンにもなっているという仕組みで、光る輪の部分には回転しやすいよう小さな突起がある。
光る部分も消灯時は黒く、縦に見て、ホイールの右にはメニューボタン、左には電源ボタンが配置してある。メニューボタン下には内蔵マイク。

裏面上部は二つのスピーカー。 その下のボタンはバッテリーケースを外すためのものだ。 バッテリはボタンを押しながらスライドして外すので不意に外れる心配は無いだろう。
スピーカーはステレオで、小型ながら結構大きな音を鳴らせる。音割れもなく、優秀だ。 イヤホンを抜くと自動的にスピーカーになる。
smb01 smb02

大きさは、フラッシュタイプとしては大き目だが、手になじむ程よい大きさ。 見た目以上に軽い。

バッテリーが着脱式。その下の小さい電池に見えるものは電気二重層コンデンサ。 時計の維持に使われ、長寿命、充電式で交換の心配はないが、長い間電池を抜いた状態にしていると、時計がリセットされる可能性がある。
deb09
イヤホンは右側、ホイール側に刺さるので、操作時の邪魔になるが、ストレートプラグなら逆に人差し指と中指の間にはさめば安定感が増す。 動画で見る本体デザイン。

イヤホン


iya01

イヤホン

イヤホンは最近のiriver製品にバンドルされているisound製のもので、本体の色に合わせて黒のものがバンドルされる。
シンプルで小型。 丸いメッキ部がデザインのワンポイントになっている。
コードの長さは1m程度で、E10にバンドルされていたのとは違い、左右の長さが同じY字タイプに変更されている。
イヤホンパッドがワンセット付属する。

音質は付属としては、普通レベル。 音質向上を図るなら、イヤホン交換が手っ取り早い。

コードは弾力が強く、絡まりにくいが、少し癖が強すぎる感じもする。


USBケーブル


usb01

USBケーブル

USBケーブルは標準的なminiBタイプ。 どこでも手に入りやすく汎用性が利くので便利だ。


性能


・高性能を、シンプルに包み、普段使い向きの実用的プレーヤー!?

X20は、機能的に見ると欠けたところのない、多機能なプレーヤーといえる。
しかし、X20は決して多機能、高性能を追求したプレーヤーではないと感じる、というと誤解を招くかもしれない。
X20のハード構成は非常に高性能なものだ。
メインチップはMP3プレーヤーというより、小型PMP向けのハイスペックな物が使われ、音楽再生はもちろん、動画や画像表示、ダイレクトエンコーディング等、ほぼすべてをワンチップでまかなえる。生まれもった高性能なのだ。
その一方、ソフトのファームウェア面では、非常にシンプルで、まるでこのメインチップの評価機を思わせる最低限のもの。

全般にわたって、高性能なCPUが余裕を持って作業している印象で、安定感があり、操作、再生時のレスポンスもまったく気にならない。

その一方、細かな設定や、ちょっとした便利な機能などはまったくといっていいほど盛り込まれてはいない。

もちろん、その気があればどんどん作りこんでいくこともできると思うが、X20はハードウェアは高性能、ファーム開発はシンプルで、その分コストパフォーマンスに優れる、といった性質のものではないかと感じている。

最近のMP3プレーヤーは、多機能になる分、どうも音楽をタフに楽しみたいと思うと、昔のプレーヤーに劣る部分が生まれていて、外出時は使い慣れた古いプレーヤーを持っていくことが多かったのだが、X20はその点余計なところがなく、電池持ちも長く、実用的であると感じた。 

U10やClixのような、操作する面白さというのは無いが、普段使いの実用的なプレーヤーとなりそうだ。


音楽再生


mgui01
音楽再生 起動は4秒程度(microSD装着時はプラス4秒程度) 音楽再生はタグ管理形式。 専用ソフトでのDB作成などは必要なくD&Dで転送後、本体で自動的に作成される。(作成時間は5秒程度) 
mgui02 mgui04
アーティスト-アルバム-曲といった検索の流れ
microSDに転送した楽曲も、本体内のファイルと区別されること無くソートされる。
表示しきれない長い名前はスクロールされる。
mgui05 mgui06
再生画面 右上には再生モード、時間、電池残量
中央にはジャケット画像、アーティスト名、アルバム名
下部には、曲名と次の再生曲、経過時間のインジケーター
音量操作はスクロールで行う。 緩やかに上下し、ホイール操作で急に大きくなりすぎたりということが無く良好。

mgui07

再生モードは一曲リピート、シャッフル、全体のリピート、シャッフルリピートの4つ、曲再生画面からのショートカットなどは無く、メニューの設定画面で変更する。 EQはNormal,Rock,Jazz,Classic,Popsの5種類のほかにカスタムEQがあり自分好みの設定も可能だ。 SRS等のサラウンド機能は搭載しない。

音楽再生は一般的なタグ管理形式で行われるが、少し特殊な点もある。 ホイールを使っての操作はiPodを連想させるが、階層の上下は右、左のクリックで行う。特殊な点は再生画面に入ると、階層をたどって戻ることができない点。再生リストに戻ってしまうので、メニューから最上層に戻りたどり直すことになる。

アーティストやアルバムなど各項目で再生ボタンを押すと、再生、再生中に追加、すべて再生、すべてを再生中に追加の設定画面が現れる。
あまり、こまめに曲を検索して再生という操作は想定していないようで、あらかじめ聞きたい曲やアルバム、アーティスト等を上記操作で再生リストに追加しておいて、そのリストをブラウズ、再生するという形を想定しているようだ。

ブラウザから、フォルダ管理形式での検索も一応はできるが、再生画面に入ると通常の音楽再生になり、同様に階層をたどり戻ることはできない。

A-Bリピート機能が実装されており、再生中に下ボタンで始点と終点を設定する。

レジュームも可能、また音楽再生中に直接電源を落とした場合は、起動後自動的に再生まで行われる。

そのほか気になった点としては、音楽再生中に設定や曲の選択画面などに行った際、結局何の操作もしなかった場合でも、その画面にずっととどまってしまう点。
ホイールで音量操作をするため、再生画面でしか、音量操作や一時停止ができないので、一定時間経てば曲再生画面に戻るようになったほうが便利だろう。

・ファイル転送
ファイル転送は、MSC(UMS)、MTP二つの方式に対応している。 単体で簡単に切り替えられ、双方から転送した曲も共存して使用できる。 タグ管理形式だが、タグ情報も単体で作成できるので、専用ソフトはファームウェアアップグレードくらいにしか必要がない。 
USB2.0に対応しており、ファイル転送も早く、理想的な形式で今後のiriver製品でも主流となっていくだろう。
まだ正式認証を受けていないが、Napsterからの曲転送も可能だった。

MUSICフォルダ等あらかじめフォルダ分けされているが基本的にどこにどのようなフォルダ構成で転送しても問題ない。

・音質
音質に関しては個人差もあり、たいした聞き分けができないため、あくまで私感だが、Tシリーズ以降のiriver製品より気に入る音だった。 ホワイトノイズも最近のiriverのプレーヤーより小さい。 曲間のノイズなど、私の環境では確認されなかった。

・電源
充電は基本的にPCからUSB経由で行う。 AC-USBアダプタからの充電もでき、こちらを使用した場合は、充電しながらの再生が可能になる。

・ギャップレス再生
不可

対応ファイルに含まれないので、サポート外かもしれないが、WAVファイルの再生も普通にできた。

動画で見る、iriverX20での音楽再生。

FMチューナー



fmgui01 fmgui02
FMチューナー画面 オートプリセットが可能。 iriverplus3からのプリセット設定もできるが局名の表示には対応していない。
fmgui03 fmgui04
FM地域の設定が可能 FM録音にも対応、MP3形式で録音され録音品質は低中高の3段階。
(高:128Kbps中:96Kbps低:64Kbps)
予約録音には対応しない。
FMチューナーは環境にもよるが、ほかのiriver製品同様、高感度だ。 イヤホンがアンテナになっており、内蔵スピーカーでの再生はラインイン端子にイヤホンを刺しておくことで可能。
動画で見るiriver X20のFM操作。

画像・動画

画像表示画面 非常にシンプルな画像表示機能 JPEG画像はどこに転送してもかまわない。 メモリ内のjpeg画像は自動的に写真メニューにアルファベット順でソートされる。 サムネイル表示などの機能はない。
画像表示は鮮明。 ファイルの大きさによるが、よほど大きな画像出なければ、閲覧、拡大のスピードも早いほうだ。 画像のスライドショーには対応しない。 音楽を聴きながらの閲覧は可能。 また他のiriver製品と違い、5段階の画像の拡大ができる。(サンプル画像は解像度の低い画像だが、大きな画像なら拡大しても綺麗に表示できる。)
ビデオ表示メニュー  メモリ内の動画は一括してビデオメニューにファイル名でソートされる。
動画再生は綺麗で、ソースにもよるが、小さな字幕なども確認できる。  一時停止時に見られる画面表示。

・画像表示

画像表示は綺麗で実用的、microSD等に入った画像も、画像メニューからは内蔵メモリ内のファイルと同等にソートされる。 携帯電話で使用しているカードを入れれば、携帯電話で撮った画像の表示などもできる。

スライドショーに対応していないのは残念だが、画像表示スピードも速い。 (デジカメなどで撮った重いファイルは多少時間がかかる。)

画像メニューでは一度にファイルがソートされてしまうので、フォルダ分けしてある場合は、ブラウザからのほうが検索しやすいかもしれない。

・動画表示

動画の再生は至ってシンプル。
ひと昔前のプレーヤーだと、動画再生はかなり無理してる感があったが、X20は余裕を感じさせる。
レスポンスも早く、動画読み込みのようなタイムラグもほとんどない。 再生中の早送り巻き戻しも可能だが、早送りなどの速度は固定で変えられない。 
動画は特別な操作をはさまなければ、1ファイルはレジューム可能。 途中で電源を切って、次起動時にそのままファイルを再生すれば、途中からの閲覧ができる。 ひとつひとつレジューム位置を覚えたり、ブックマークのような機能はない。
動画の連続再生も可能。 また、シャッフルなど音楽の再生モードがそのまま動画にも適用される。

また、画像同様、動画メニューではファイルが一同にソートされてしまうので、フォルダ分けをしている場合では、ブラウザから検索したほうが便利だ。

動画で見るiriver X20 の画像表示操作。 動画でみるiriver X20 の動画再生操作。

その他


録音メニュー 本格的な機能は付随せず、簡易的なものだ。 録音もいたってシンプル。ラインイン録音はMP3形式で3段階の品質設定ができるが(高:128Kbps中:96Kbps低:64Kbps)、ボイス録音は単一WAV形式のみ。

録音されたファイルは内蔵メモリのRECORDフォルダにのみ保存される。外部メモリへの録音不可。 ファイル名に日付が入らず、タイムスタンプ等も無いので、PC移動後はこまめにファイル名やタグ管理が必要だ。

ラインイン、ボイスは設定で変更する。
ラインインは128kbpsまでで、無音時に曲を区切るような機能もない。 ボイス録音は会議の録音程度には使える。
外部マイクなどにももちろん対応しない。
(個人的にはAMラジオとつないで、お気に入りの番組を録音するのにとても重宝している。)

画面の設定。 液晶表示が180度回転できる。 画面の明るさは8段階、バックライトは最長3分までの連続点灯。 点灯時間といっても、完全に点灯が消えることは無く常に、うっすらとバックライトが点灯しており、画面の確認ができる。
早送り、巻き戻しなどのスピードは設定できない、数少ない設定項目のテキストスクロール設定はすべての画面において適用される。 スリープタイマーは120分まで設定でき、内蔵のスピーカーもあるので、眠りながら聴くときなどに便利だ。
PCとの接続モードは簡単に設定変更可能 内蔵メモリのほか、microSDのメモリ状況も確認できる。

最後に気になる点をまとめておこう。

・ファイルの転送方法
これは専用ソフトなしで転送が可能。 接続解除時に単体でDBの作成が行われる。
MTPにも対応しているので、最近人気のNapsterからの転送も可能だ(まだ正式認証されておらず、未サポート)。
もちろんWMPやiriver plus3にも対応している。
現状、iriverplus3との連携には不具合が多く、プレイリストの転送が行えない。
MTPモードでのWMPからのプレイリスト転送のみ成功したが、早急な対応が望まれるところだ。

・ホイール操作
ホイール操作には多少の慣れが必要だ。 ホイールは白い部分と青く光る部分が一体化して、どちらも回転し、クリックできる。ホイールの回転は多少のカチカチ感はあるのだが、少しチープな感じもする。大量のファイルを早く移動できる一方、小さな移動がしづらい。 メニュー画面などは上下のボタンでも移動できるようにしてもよいのではないだろうか。 
また独立した音量ボタンが無く、音量操作はホイールで行い、再生画面からしかできないのも不便だ。
ただ、しばらく使っていると、それなりに操作できるようになってくる、あまりおっかなびっくりせず、強めに操作するのがコツだろうか。

・液晶画面
2,2インチの画面は、同スペック帯のプレーヤーの中でも大きいほうだろう、視野角も広いほうで、液晶表示の満足度は高いのではないかと思う。
また、バックライトが特殊で、電源on時は完全にバックライトが消灯することはない。 うっすらと常にバックライトが点灯し続ける。 ここは意見が分かれると思う。完全にoffするようにすれば、もう少し音楽再生時間を延ばすこともできるかと思うが、20時間程度の再生時間が確保できているので、個人的には常に表示を閲覧できるほうがうれしく感じた。(そのため液晶表示の復帰にともなう操作時のタイムラグがないのもうれしい。)

・メニュー等の縦画面化
できない。 個人的にもメニュー等は縦画面にできたほうが操作しやすく感じる。

・充電しながらの再生
PCからの充電時は、自動的にPC接続となるので、充電しながら再生はできないが、AC-USBタイプのアダプタからの充電だと、充電しながらの再生が可能になる。 (接続時はいったんPC接続モードになるが、数秒で充電のみの動作に変わる。 そのため一旦レジューム等はクリアになるので注意。)
また、このとき充電池を抜いても再生可能だった。 充電できたら電池は抜いておいたほうが電池への負担が少なくなるかもしれないが、これが良いか悪いかは確認を取っていない。

・ジャケット表示
音楽ファイルのジャケット表示に対応する。 ジャケット表示はiriverplus3,WMP等で埋め込んだものはもちろん表示される。ID3v2のAPICフレームを埋め込んであればOKのようで、一般的なタグエディタで埋め込んだものもD&D転送のみで表示された。 ジャケットの拡大表示などはできない。

・ギャップレス再生
対応しない。

・テキスト表示機能
搭載しない。

・動画の変換
最近はYouTube等、動画のコンテンツが充実していて、ちょっとした動画を持ち運ぶのにX20派最適だ。
動画の変換は付属のiriverplus3でできる。 iriverplus3で読み込めないファイル等、他のソフトを使う場合は、最終的にはmencoder系のソフトを通すのが間違いのない方法だ。
画面サイズは守る必要があるが、それ以外のプロファイルは多少オーバーしていても再生できる余力がある。

・語学学習関連機能
A-Bリピート機能には対応。 そのほか再生速度変換、Study mode、歌詞表示などには対応しない。

・外部マイク
対応しない。

・microSD
PCとの接続時はX20がカードリーダ的に働く。
microSDは装着時に内部ファイルのシークが行われる(4秒程度)、いつでも着脱可能。 着けたままでも、起動時にカードのシーク時間(4秒程度)が毎回かかる。 
ファイルの扱いは本体メモリ内のデータと同等。画像も動画も再生できる。 一括してソートされる。
ブラウザから、SDカード内をたどることも可能。
内蔵メモリ、外部メモリ間のデータの移動などは一切不可能。
SDカード使用時の電池消費に関しては未確認。
(安くて有名なADATAの1GBカードも認識できた。)

・内蔵スピーカー
内蔵スピーカーとしては高品質で、結構大きな音も音割れなく再生でき優秀に感じる。
スピーカーオフなどの設定は無く、イヤホンを抜くとスピーカー再生になる。
この部分は気になる人もいるかもしれないが、普通に音楽を聴いている音量なら、スピーカー音も目立つほどの音量ではない。
またイヤホン端子は他と比べて固めに感じ、個体差もあるかもしれないが本体を落としても抜けることは無かった。
ただ設定での可否ができたほうが良かっただろう。

・ストラップ穴
ない。 使いやすい専用ケースの登場を期待する。
H10用のABITAXポケットがちょうど良いサイズで使っている。

・単体でのデータの削除
一切不可。 フォーマットは可能。




・個人的に思ったX20の良いとこ、直してほしいとこ。

良い所

・ちょっとした操作の操作性
今時の機械、両手で持って画面を見ながらの操作感がよいのは当たり前ですが、音楽プレーヤーとなると、画面を見ずに手探りで音量や早送りをしたりすることの方が多くなります。 X20はボタンがホイール部に集中しており、音量は回転、早送り巻き戻しはクリックと直感的に手探りで操作できます。 Clix等はこういった操作性はかなり低いです。
この操作性が低いと、あまり外出時に持ち運びたくなくなるので、X20はその点実用的に感じました。

・BGVに最適
最近は動画コンテンツの入手が簡単になり、ちょっとした動画をBGMがわりに流していることが多いのですが、そういった用途に最適です。 これまではClixとクレードルを使っていたのですが、X20はスピーカーを内蔵しているのでひとつでOKです。
画面も大きく、レスポンスもよいです。 また音楽ファイル同様の扱いで動画をシャッフルできたりするのも面白いですね。
またACアダプタを使えば充電しながら再生できるのも大きいです。 動画でも数時間の再生ができますが、家で動画を見ていて、外出時に音楽を聴こうと持ち出したらすぐ電源が切れた、では使い物になりませんからね。

・汎用性の高いminiB端子
PCとの接続がminiBなのはやはり便利ですね。 

・microSD
メモリ容量が追加できるというのは後々のことを考えてもやはり良い点です。 microSDもかなり安価ですしね。
カード内のファイルも本体と特に区別されない扱いをされる点もよいと思います。
メモリ内と本体内のファイルをどちらか切り替えて使うという仕様のものもありますから。

・消えない液晶
これは最初のちょっとした操作に関係するんですが、液晶が完全にオフになるiriverのプレーヤーは、液晶オフ時の最初の操作が液晶をつけるだけになって動作しないんです。 なので音量を1あげるのに、何かボタンを押す-液晶がつく-音量を下げる の操作が必要となるんです。 これを手探りでするのは結構ストレスになります。
X20はそんなことを気にせず、ホイールをスルッとまわせばよいだけですから、楽です。

直してほしい所 (機能の追加ではなく、もうちょっとこうしたらだいぶ便利になるのにという点をあげたいと思います。)

・再生中からの階層戻り
もう慣れてきましたが、ここは普通に、階層が戻れたほうが直感的です。 ホイールで選択、再生ボタンで決定、再生ボタン長押しでリスト追加という形でいいんじゃないでしょうか。 ZEN特許か何かがかかわってくるのでしょうか。

・しばらくしたら再生中に戻るように
X20では音楽再生中、音量を変えたり、一時停止できるのは、音楽再生画面だけです。 ホームメニューなんかに戻ったりしている場合も、しばらく操作が無ければ、音楽再生画面に自動的に戻るほうが普通ですし、便利だと思います。

・ホイールをもっと有用に
記憶容量が増えてくるにつれ、MP3プレーヤーは、単なる上下ボタンでは大量のファイルを扱いづらく、何かしらの工夫が必要になります。 その点ホイールは大量のファイル検索に役立ちます。 ただX20ではファイルの選択、音量にしか使えず、もてあまし気味です。 動画も扱えるので、長いファイルの早送り巻き戻しのシークにも利用できると便利です。 長い動画ファイルを途中から見たりするのに便利なはずです。

・メニューは上下クリックも可能に
これは上と関連しますが、メニューや設定をいじるのに、ホイール操作では少し小回りが利きません。 上下ボタンが空いているので、上下のクリックでも移動できるようにしておいてはどうでしょう。