三角形が新しい!アナログ感覚を取り入れたシンプルプレーヤー。 コストパフォーマンス抜群!多様な身に着け方が魅力。 エムピオジャパン 「FL500 (2GB)」 レビュー 発売日2007年6月22日 直販価格 1GB 6980円 2GB 8980円 2007年6月現在 FL500の説明書はこちら FL500の仕様はこちら |
■シンプルプレーヤーの必要性 |
動画に対応したハイエンド機が賑わう中、音楽再生に特化したピュアなシンプルプレーヤーというものも、各社から続々とリリースされその需要が衰えることはない。 その中でMPIO FL500は機能、価格的にトップクラスの製品の一つだ。 FL500はエレキギターをイメージしたという独特な三角形のデザインを採用。 アナログ的なボタンを採用し、MPIO得意のシックなデザインの中に斬新さを取り入れることに成功した。 コンパクトボディに、クリップとネックストラップという、ユーザーのリスニングスタイルに柔軟に答えるポータビリティー性も取り入れ、とにかく軽快に気持ちよく音楽を楽しめるプレーヤーに仕上がっている。 これからの暑い夏をこのFL500と乗り越えてみてはどうだろうか。 詳しくレビューしていく。 |
■特徴 |
・音楽だけじゃない FM(録音)にボイス録音も。持ち運びやすさが◎。 |
FL500はシンプル設計のプレーヤーだが、使用頻度の多い機能はきちんと押さえられている。 音楽再生はもちろん、録音もできるFMチューナー、会議などを録音できるボイスレコーダー。 また、本体はクリップとネックストラップ等、持ち運びやすさを重視したデザインになっている。。 |
・語学学習向けの機能が充実した音楽再生 |
FL500を語学学習向けに検討している人も多いと思う。多くのファイルを収納でき、小型のMP3プレーヤーは、最近語学学習用にも注目されている。 FL500はmpio得意の再生速度調整に対応している。 MP3ファイル、または本体で録音したファイルに適用され、50%から200%まで7段階で設定できる。 また、その際にピッチが変わらないのがmpioの再生速度調整の特徴で、他社製品にはなかなかない長所だ。 ピッチが変わらないため速度調整しても非常に聞き取りやすい。 この機能は語学学習用に検討している人には外せない大事な点だ。 他にも、A地点からB地点までの任意の範囲を繰り返し再生するA-Bリピート機能も搭載している。 会話の中のワンフレーズを集中的に覚えたい時などに重宝する。 |
・PCとの接続、転送はドラッグアンドドロップでOK |
FL500はPCに接続するとリムーバブルディスクとして認識される。 転送はそこにファイルやフォルダをコピーしてあげるだけでよい。専用のソフトは必要としない。 音楽ファイル以外のファイルの持ち運びにも使えるし、音楽ファイルをPCに再度取り出すことも可能だ。 本体で録音したファイルも同様にPC上に取り出すことができる。 本体での管理形式はフォルダ管理形式。 エクスプローラライクの操作で任意のファイルへ簡単にアクセス可能だ。 MTPでの接続にも対応していて、接続時に簡単に接続方法を切り替えることができる。 今の日本でMTP対応の利点はnapster対応が大きいと思うが、認証は取れていないようなので、使えたとしてもサポート外という形だろう。(未確認) |
・分かり易くシンプルな操作性 |
液晶は3行の白黒液晶。 操作の中心はプレーヤー上部の角に配置された左右のスライド+クリックのジョグボタン。 右サイドのmenuボタンと組み合わせて、直感的に操作ができる。 各機能の切り替えは独立した前面右のダイヤルで切り替えでき、わかりやすい。 前面の大きなダイヤルは音量スイッチ。 アナログ風のスイッチで音量操作は快適だ。 |
■パッケージ |
箱の大きさは、最近のプレーヤーとしてはやや大きめだろうか。青と黒を基調としたさわやかなデザインだ。 | 内容物は本体、USBケーブル、イヤホン、ネックストラップ、クリップ、CD、マニュアル |
金属製のクリップが付属する。 | クリップはネジ式 |
皮製のストラップも付属する。 | クリップとストラップ、好きなほうを選べる。 |
付属イヤホンは左右対称のY字タイプ。 音質は良好。 | USBケーブルは8ピンタイプ。 | USBジャックはソフトなゴム製カバーで保護される。 |
■デザイン |
ブラックとシルバーを基調としたシックなデザイン。 |
全体プラスチックだが、がっしりとした印象がある。 ダイヤルはメッキ。 |
円形のボタンが角にあるため操作しやすい。 | リセット穴、ホールド、イヤホンジャック イヤホンジャックは一般的なミニジャックだ。 |
・シックなデザインにアナログ感をプラスして、斬新なデザインを実現 |
MPIO得意のシックなデザインに、エレキギターをイメージした三角形スタイルとアナログ風のダイヤルを配し、ユニークさを取り入れることに成功している。 カラーバリエーションはブラックのみ。 一見液晶がないような仕上げになっている。 |
・文字が白く浮かび上がるネガティブ表示ディスプレイ&綺麗な日本語表示 |
FL500はモノクロの液晶を採用している。 またネガティブ表示になっており、黒バックに白い文字が浮かび上がるようにしている。 |
■機能 |
起動時間は保存されているファイル数等によるが、5秒から10秒程度。 起動したら自動で音楽再生をはじめる設定も可能。 | フォルダ管理タイプ。サブフォルダにも対応しており、エクスプローラライクに楽曲の検索ができる。操作のレスポンスは良好。 | 検索時はファイル名が表示され、長いファイル名はスクロールする。 表示順はディレクトリエントリ順。 | 再生画面。ファイル名表示のほか、タグの表示も可能。 左下部の表示はステータスバー、ファイル種類トの3種類から選択できる。 |
・転送はドラッグアンドドロップ、わずらわしい専用ソフトは不要 |
FL500はUMSに対応している。 PCに接続すればリムーバブルディスクとして認識されるので、そこにファイルをコピーすればOKだ。 |
・レスポンス良好、円形キーでシンプル操作 |
操作はいたってシンプルだ。 起動は再生ボタン。 起動自体は長押しでなくても可能で、終了は長押しが必要となる。 |
・自然で好印象のサウンド |
FL500にはこれといったサウンド技術は費やされていない。 スペック的にもヘッドホン出力など非力に見える。 しかし、実際の音はというと、派手さはないが、とても自然で素直な音を出してくれる。 ホワイトノイズも特に気にならないだろう。 音質というのは人それぞれの感じ方があるし、慣れもあるので、一般的にいい音とされるものでも意見が割れたりするものなのだが、FL500の音色は万人に受け入れられるのではないだろうか? そんな印象を受けた。 プリセットイコライザはノーマル、ポップ、ロック、ジャズ、クラシック、ボーカル、ベースの七種類。 他に5バンドで任意に設定できるユーザーイコライザがある。 サラウンド系の機能は無い。 前機種のFL400はコンパクトさ重視で、ミニミニのイヤホンジャックを採用しており、普通のイヤホンをそのまま使うことができなかったが、FL500は一般的なミニジャックなので愛用のイヤホンを使用することもできる。 バンドルイヤホンは、センハイザーのMX300,400辺りに形状、音質ともに近いものを感じる。 バンドルとしてはそこそこの音質だ。 音質向上を考えるならば、イヤホン変更が手っ取り早いだろう。 再生モードはノーマル、リピート1、リピートオール、ランダム、ディレクトリノーマル、ディレクトリリピート、ディレクトリランダムの7種類。 ディレクトリ、つまりフォルダ内リピートも可能だ。 この際フォルダ内にサブフォルダが含まれる場合はその中のファイルは含まれない。 |
・実用的な語学学習関連機能 |
語学学習向けにFL500を検討している人も多いだろう。 スピードコントロールを体感してみよう。 |
・内蔵充電池で15時間の連続再生 |
電池は内蔵のリチウムバッテリー。 充電はPCからUSB経由で行う。 コンパクトボディだが15時間の連続再生が行える。(充電時間は2時間程度。) 同スペック帯のプレーヤーの中でも長いほうだ。 サポート外かもしれないがAC-USBアダプタでコンセントから充電することも可能だった。 その際もPC接続モードとなってしまうため、充電しながら再生はできない。 |
録音可能なFMチューナー | FM再生画面、 |
1ボタンで録音開始 |
■FMチューナー |
・ アナログ感覚で機能を切り替え、感度は良好。 |
FL500はFMチューナーも標準装備している。 FMモードにするには本体右下のダイヤルをFMに合わせる。 イヤホンコードをアンテナとしており、日本以外にワールドワイドな周波帯に対応している。 (初期設定は日本になっていないので、設定から日本に設定する必要がある。) FMの受信感度は環境によるものが多く、一概には言えない。 また据え置き機や専用のラジオ端末には構造上劣ってしまう。 比較的、信号の入りやすい筆者の環境で試したところ、感度は悪くなく、主要局はかなりクリアに聞き取れた。 ADPCM WAV形式での録音にも対応しており、録音する場合はボタン数の関係からFMモードではなく、RECモードから行う。 この辺は工夫して、FMモードで録音までサポートして、RECモードはボイス録音だけにしたほうがわかりやすいだろう。 もともとアナログ放送であり、録音したものは劣化してしまうので、音楽などの録音には向かない。トーク番組や情報をメモする程度なら十分使えるだろう。 録音されたファイルはルート上のRECORDフォルダに保存される。FM001.WAVのような連番が振られる。 PC上に移動も可能。 ステレオ、モノ切り替え、オートプリセット、チャンネル保存にも対応している。 予約録音には対応しない。 |
1ボタンで即録音開始 | 3段階の品質設定 | ゲイン調整可能 | 無音を認識して録音を一時停止する機能も |
■ボイス録音 |
・手軽なボイスメモに最適 |
ボイス録音は手軽にすばやくが重視された設計になっている。 ボイス録音する場合はモードダイヤルをRECに合わせ、ボイス録音を選択する。 音質は3段階から選べ、ADPCM WAV形式で録音される。 音声増幅機能があり、たとえば遠いところの音を拾いたい場合などは高に設定するとよいだろう。 (全体の品質は下がる。) 音声感知機能は無音時に録音を停止し、音声を認識すると再度録音を開始する機能だ。 どの程度の音を無音にするかの設定は、数字ではなく具体的なシーンになっている。 最適な設定を試してみて、録りこぼしが心配ならオフにしておいたほうがよいだろう。 音質はそこそこ。 自分のボイスメモや会議等の音声を録音するのには十分使える品質だと感じた。 RECORDフォルダに、VOICE001.WAVのような連番で保存される。 録音したファイルは再生速度調整も可能で、PCに移動もできる。 外付けマイク等には対応しない。 |
■身に着け方 |
・クリップ、ネックストラップ、そのほかにも工夫次第で自分好みの身に着け方が可能。 |
FL500はユニークなコンパクトデザインだけでなく、身に着け方もうまくデザインされている。 |
■まとめ |
・しっかりとしたシンプルプレーヤー。ユニークなデザインと持ち運びの良さで手放せない一台に。 |
FL500はコストパフォーマンスの高い一台に仕上がっている。 シンプルながら、重要な点をうまくコンパクトボディに詰め込み、動作自体も非常に安定感がある。 さらにFL500は斬新なデザインもウリの一つ。音量ダイヤルの使い勝手もちょうど良い。 クリップにネックストラップ、多様な持ち運び方ができるのも長所の一つ。 MP3プレーヤーにおける持ち運びやすさというのは、これからもっと重要視されていくだろう。 筆者はカラビナを取り付けてみたが、とても使い勝手が良い。 電池持ちも十分で、シンプルプレーヤーとして、機能的に特に気になる点は感じられなかった。 再生速度調整などの語学学習向け機能も魅力の一つだろう。 スライドジョグのクリック具合と、USB端子がminiBでない点のみ残念な点だ。 要望としては、単体での簡単なプレイリストに対応してもらえるとありがたい。 MP3入門機から2代目のサブ機、バリバリのメイン機としても十分使えるお得なプレーヤーだ。 この夏のお供にFL500を検討してみてはどうだろう。 |
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Review by harp |
harp:MP3プレーヤーオタクのアマチュアライター。 |