動画再生にも対応したカラー液晶搭載プレーヤー 欲張りな廉価プレーヤーに待望の4GBモデルが追加! エムピオジャパン 「MG100(4GB)」 レビュー 直販価格 1GB 7980円 2GB 9980円 4GB 13980円 2007年6月現在 *テキスト表示に対応したファームウェア1.05.18ベータを導入しています。 MG100の仕様についてはこちらを参照ください。 MG100の詳しい説明書はこちら。 |
■何も削らない、欲張りな廉価モデル |
MP3プレーヤーの多機能、高性能競争から脱却し、コストパフォーマンス重視の低価格プレーヤーにシフトしてきたMPIO。 前回レビューしたFY800はSDカードスロットを搭載し、必要な機能をシンプルにまとめ上げ、MPIO得意の再生速度調整、低価格とあわせて、無駄な多機能性を求めない、すきまのユーザーをうまくついた製品に仕上がっていた。 今回レビューするMG100はそのラインナップの中でも、もっとも多機能なフラッグシップモデルだ。 MPIO現行ラインナップの中では、唯一カラーディスプレイを搭載しており、写真や動画の閲覧に対応している。 今回、大容量4GBモデルが追加され、容量的にも魅力が増したこのMG100を、FY800との比較もあわせて詳しくレビューしていきたい。 |
■特徴 |
・カラー液晶を搭載、動画にも対応。 |
ほかのMPIO製品ラインナップ同様、MG100もシンプルな廉価モデルであることには変わりない。 しかし、MG100ではカラーディスプレイを搭載し、要望の多い動画再生に対応した。 小さなディスプレイであるが、なかなか実用的で楽しめる。 |
・語学学習向けの機能が充実した音楽再生 |
MPIO製品はを語学学習向け用途に注目されている。 それは任意の範囲を繰り返し再生するA-Bリピートのほか、ピッチの変わらない再生速度調整に対応しているからだ。 再生速度調整は今では業界標準ともいえるほど普及してきたが、ピッチの変わらない速度調整が可能となると、ほかにはあまりない。 MG100にももちろんこのピッチの変わらない再生速度調整は搭載される。 (MP3ファイルおよび本体録音ファイルに適用) 調整幅はFY800とは若干異なり、67%〜133%の5段階となりFY800よりも狭い範囲になっている。 |
・PCとの接続、転送はドラッグアンドドロップでOK |
MG100はPCに接続するとリムーバブルディスクとして認識される。 転送はそこにファイルやフォルダをコピーしてあげるだけでよい。専用のソフトは必要としない。 音楽ファイル以外のファイルの持ち運びにも使えるし、音楽ファイルをPCに再度取り出すことも可能だ。 本体で録音したファイルも同様にPC上に取り出すことができる。 本体での管理形式はフォルダ管理形式。 エクスプローラライクの操作で任意のファイルへ簡単にアクセス可能だ。 MTPでの接続にも対応していて、接続時に簡単に接続方法を切り替えることができる。 今の日本でMTP対応の利点はnapster対応が大きいと思うが、認証は取っていないようなので、使えたとしてもサポート外という形だろう。(未確認) |
・分かり易くシンプルな操作性 |
液晶は176×132ピクセルの1.5インチカラー液晶。26万色に対応した半透過反射型で、バックライトが消えた状態でも表示内容が確認でき便利だ。 鮮やかなカラー画面は視野性に富み、曲選択時に情報量が多く見やすい。 操作の中心はプレーヤー中央の円状に配置された四方向+クリックのボタン郡。 縦横の十字の操作がGUIと連携しており直感的に操作ができる。 またその円状ボタンの左右に4つのボタンが配置されており、曲再生時にワンクリックでイコライザや再生モードを切り替えられるように工夫されている。 本体上部のイヤホンジャックの横には独立した録音ボタンが用意されている。 |
■パッケージ |
箱の大きさは、最近のプレーヤーとしてはやや大きめだろうか。青と黒を基調としたさわやかなデザインだ。 | 内容物自体はシンプル。 プレーヤーにUSBとラインインケーブル、イヤホン、ネックストラップのケーブル類と、透明のベルトクリップケースにクイックマニュアルとCDだ。 |
■デザイン |
チタンカラーとブラックを基調としたシックなデザイン。 |
表裏はヘアライン加工された金属製で高級感がある。 |
サイド部にはボタンはない。厚さは9.2mm | ヘアライン加工されているため指紋も気にならない。 | 上部は中央にイヤホンジャック、その横にUSBと録音ボタンがある。 | 金属筐体で耐久性もありそうだ。 | ホールドスイッチは裏面上部。この部分のみ盛り上がっている。 |
・金属を多用し、タフでシックなボディ。 |
MPIOらしいシンプルで嫌味のないデザインだ。 ヘアライン加工された金属筐体は落ち着いた色合いと手触りで、フラッグシップモデルとしての風格を漂わせる。 |
・色鮮やかなカラーディスプレイ&綺麗な日本語表示 |
MG100は現行ラインナップで唯一カラーディスプレイを採用している。 |
■機能 |
起動時間は若干長く、10秒程度。 (ファイルの数などで変化する。) | メニューもグラフィカルでアニメーションする。 | フォルダ管理タイプで、PCライクな検索が可能。 表示順はディレクトリエントリ順。 | 円ボタンを使って、直感的に階層を行き来でき、曲検索は簡単だ。 | 検索時はファイル名が表示され、長いファイル名はスクロールする。 | 曲名の表示は、タグの他、ファイル名での表示も行える。 タグ表示にした場合は、曲名→歌手名→アルバム名の順で表示される。上段の表示は、再生モード、音量、電池残量、イコライザ。中央に曲番号、フォルダ名、曲名。 下部はプログレッシブバーだ。 |
・転送はドラッグアンドドロップ、わずらわしい専用ソフトは不要 |
MG100はUMSに対応している。 PCに接続すればリムーバブルディスクとして認識されるので、そこにファイルをコピーすればOKだ。 |
・レスポンス良好、円形キーでシンプル操作、音楽再生と画像表示等を同時にできないのが残念。 |
操作はいたってシンプルだ。 起動は再生ボタンの長押し。 |
・自然で好印象のサウンド |
MG100にはこれといったサウンド技術は費やされていない。 スペック的にもヘッドホン出力など非力に見える。 しかし、実際の音はというと、派手さはないが、とても自然で素直な音を出してくれる。 ホワイトノイズも特に気にならないだろう。 音質というのは人それぞれの感じ方があるし、慣れもあるので、一般的にいい音とされるものでも意見が割れたりするものなのだが、MG100の音色は万人に受け入れられるのではないだろうか? そんな印象を受ける。 プリセットイコライザはノーマル、ポップ、ロック、ジャズ、クラシック、ボーカル、ベースの7種類。 他に5バンドで任意に設定できるユーザーイコライザがある。 サラウンド系の機能は無い。 バンドルイヤホンは、センハイザーのMX300,400辺りに形状、音質ともに近いものを感じる。 バンドルとしてはそこそこの音質だ。 音質向上を考えるならば、イヤホン変更が手っ取り早いだろう。 再生モードはノーマル、リピート1、リピートオール、ランダム、フォルダ内ノーマル、フォルダ内オールト、フォルダ内ランダムの7種類。 フォルダ内のリピートにも対応している。 この際フォルダ内にサブフォルダが含まれる場合はその中のファイルは含まれない。 |
・実用的な語学学習関連機能 |
語学学習向けにMG100を検討している人も多いだろう。 |
・内蔵充電池で音楽20時間の連続再生 |
電池は内蔵のリチウムバッテリー。 充電はPCからUSB経由で行う。充電しながらの再生はできない。 音楽再生で20時間、動画でも6時間の連続再生と、実用に耐えうる電池持ちになっている。 サポート外かもしれないがAC-USBアダプタでコンセントから充電することも可能だった。 その際もPC接続モードとなってしまうため、充電しながら再生はできない。 |
録音可能なFMチューナー | FM再生画面、局名は表示不可 |
プリセット登録可能 | ワンボタンで録音できる。 | ワールドワイドバンド対応 | 録音音質は3段階 |
■FMチューナー |
・ 感度は良好、録音も可能。 |
MG100はFMチューナーも標準装備している。 イヤホンコードをアンテナとしており、日本以外にワールドワイドな周波帯に対応していて、設定から変更できる。 (初期設定は日本になっていないので、設定から日本に設定する必要がある。) FMの受信感度は環境によるものが多く、一概には言えない。 また据え置き機や専用のラジオ端末には構造上劣ってしまう。 比較的、信号の入りやすい筆者の環境で試したところ、感度は悪くなく、主要局はかなりクリアに聞き取れた。 ADPCM WAV形式での録音にも対応しており、録音ボタンを押すだけで録音可能になる。(ステレオ) しかし、録音したものはどうしても劣化するので、あまり音楽などの録音には向かないだろう。 情報をメモする程度なら十分使える。 録音されたファイルはルート上のRECORDフォルダに保存される。FM00001.WAVのような連番が振られる。 PC上に移動も可能。 録音したファイルは、MUSICモードではなく、RECORDモードから再生する。 録音ファイルの速度調整も可能。 ステレオ、モノ切り替え、オートプリセット、チャンネル保存にも対応している。 予約録音には対応しない。 |
RECORDモード | シンプルな録音画面 | 音質は3段階 | ボイス録音には無音を認識して録音を一時停止する機能も | ラインイン録音にも対応 | ラインイン録音画面。 |
■ボイス録音、ラインイン録音 |
・手軽なボイスメモに最適 すばやい録音が便利 |
ボイス録音は手軽にすばやくが重視された設計になっている。 録音モードでは、録音したファイルの再生ができるほか、この画面で録音ボタンを押すと、設定されたボイスまたはラインインからの録音を開始する。 最新ベータファームでは、音楽再生モード停止中に録音ボタンを長押しすれば即録音モードとなり録音が開始される。 音質は3段階から選べ、ADPCM WAV形式で録音される。 音質はそこそこ。 自分のボイスメモや会議等の音声を録音するのには十分使える品質だと感じた。 RECORDフォルダに、VOICE0001.WAVのような連番で保存される。 録音したファイルはRECORDモードから再生する。 再生速度調整も可能で、PCに移動もできる。 MG100ではボイス録音のほかにラインインでの録音も可能。 専用ラインインケーブルを使ってボイス録音と同様に録音する。 ラインインの場合はステレオ録音が可能だが、音質や曲間自動分割などの機能もないため、音楽への使用には向かないかもしれない。 |
独自形式の動画再生に対応 | 検索は音楽同様エクスプローラライク | 小さいながら実用レベル | ||
Viewerでは画像、テキストの表示が行える。 | jpeg,bmp画像に対応 | テキストは最新ベータファームで対応 |
■動画再生、画像表示、テキスト表示 |
・割り切って使えば、楽しめる付加機能 |
MPIO現行ラインナップでほかにないMG100の特徴はやはり動画再生だ。 |
■FY800 VS MG100 |
・カラー液晶、動画重視ならMG100。 語学学習重視ならFY800。 |
MG100購入検討者の中にはFY800とどちらにしようか迷っている人も多いだろう。 大きさ的にはMG100のほうが一回り大きいが、厚みは変わらない。 耐久性ではFY800が若干華奢な感じがあり、MG100のほうが重厚感がある。 MG100はカラー液晶を搭載しているため、それに付随する機能(動画、画像、テキスト)を重視する場合は、MG100しかないだろう。 容量的にはMG100に4GBが追加されたため、FY800の2GB+SD2GBと最高容量的には並んだ。 基本部分ではほぼ横並びのスペックではあるが、FY800のほうが速度調整の許容幅が広いため、語学学習重視の人はFY800のほうがよいだろう。 |
■改善してもらいたい点 |
改善してもらいたい点としては、 ・プレイリスト機能の実装。 単体で作成できる簡易的なプレイリスト機能に対応して欲しい。 ・音楽再生中の画像、テキストへの対応。 ・早送り、巻き戻し速度の設定 早送り巻き戻しのスピードをもう少し早くしたい。 ・起動時のHOLD表示が長い。 HOLDしたまま起動させようとすると、HOLDになっている旨の表示が出るが、これの表示時間が長過ぎる。 ・テキスト表示のSHIFT-JISへの対応 |
■まとめ |
・低スペックながら、多機能性を実現。カラーディスプレイで操作が楽しい欲張りなお得プレーヤー。 |
MG100は低スペックながら、うまく多機能性を実現させたプレーヤーだ。 カラーディスプレイは小さいながらも、負担の小さな独自形式にすることによって動画にも対応した。 低スペックなメインチップへの負担は、音楽を聴きながら、画像閲覧ができないといったところで垣間見ることができるが、音楽再生自体はストレスなくさくさくと機敏で、チップ負担をユーザーの使い勝手の悪さに極力つなげないよううまく処理している点に好感を感じる。 カラーディスプレイはやはり見やすく、操作が楽しくなる。 金属を多様したボディは上品かつ丈夫そうで愛着もわく。 MP3入門機から2代目のサブ機、バリバリのメイン機としても十分使えるお得なプレーヤーだ。 今回、4GBモデルが追加された。 容量不足が不安だった人には吉報だろう。 ぜひ検討してみてはどうだろうか。 |
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Review by harp |
harp:MP3プレーヤーオタクのアマチュアライター。 |